いつもブログをご覧いただきありがとうございます!連日となり恐縮ですが本日もエドワードグリーンネタ。これだけ高くなっても購入されている方は沢山いらっしゃるんですね。うーん関心です。

ラスト606とは

まずはラスト(木型)についておさらい。ザクラシックと言えばそう202なわけでありますがそれに対して606はモダンなスタイルといったところでしょうか。202のつま先を四角くしたラスト。ハイアーチ向けなフィッティングとも呼ばれております。

ラスト606はスクエアトゥ

まずは一番の特徴と言っても良いつま先。四角くなっている所謂スクエアトゥ。四角くといってもわかりやすく判断できるのはコバと呼ばれる上から見たときにソールを縫い留めているステッチが走っているところですね。ここが角ばっております。ちなみにこのコバの張り出しとステッチの関係性もエドワードグリーンは断トツのクオリティ。

ライトアングルモカ

エドワードグリーン EDWARDGREEN ドーバー 606 ラスト 靴修理吉祥寺

甲を縫い留めているステッチこそドーバーの代名詞でしょう。ただのモカ縫いではありませんよ。ライトアングルモカと言って革を薄く、それはそれは薄く裂くように縫われておりその薄さ故にステッチのあたりが出ております。これは熟練した職人にか縫えない。一般的に靴工場は随所に機械が導入されオートメーション化を図り量産している流れ作業となりますがライトアングルモカに関しては全くの別ラインと言える。

シャドウステッチ

2つの甲革をつま先で縫い留めているシャドウステッチ。文字通り表に見えないように革の裏側から縫い留めている。この部分も熟練した職人の腕の見せ所でしょう。完全手作業のため個体差(ポジティブな意味で)がある。もし購入を検討されている方がいらっしゃるようであれば靴屋さんのストックで一番気に入るシャドウステッチを選ぶのも醍醐味と言える。

小ぶりなヒールカップ

小ぶりで立体的に作られているヒールカップは歩行を安定させてくれる。またくるぶしの外側も低めなのでくるぶしが当たって痛い方は合うかもしれません。

ユタカーフを用いたアッパー

最高級の革、ユタカーフを使用。きめの細かい透き通るような質感で新品時は勿論のことエイジングも非常に楽しめる。

ソールはベイカーオークバーク、カカトはレンデンバッハ

美しく仕上げられているアウトソールは英国製のベイカーオークバーク。2000年前から変わらないレシピで製造されており一つの革になるのになんと1年以上かけられている。いうまでもなく耐久性は抜群なのですがだからと言って固いわけでもなく程よいクッション性も。履けば履くほど足になじんでくる。

カカトはドイツのレンデンバッハ製。ラバーの面積が狭く非常にドレッシーな装い。

ソールの色にも注目。アッパーがクロであればソールは半カラス仕上げと言って2トーンになっていてブラウンであればソールもブラウン。

いかがでしょうか。つたないご説明で大変恐縮ですがなんとなーく靴全体のイメージが付いたかなと思います。

ヴィンテージスチールとハーフソール

さてここからが修理のご紹介。今回はハーフソールとつま先にヴィンテージスチールを付けさせていただきました。

EDWARDGREEN(エドワードグリーン) ヴィンテージスチール 靴修理 かかと つま先 ハーフソール 裏張り

使用したのはイタリアはカサリ社のディアマンテハーフソール。特徴は無地で1ミリと薄く横からの見た目すっきり、履き心地を変えたくない、歩行時の感触をダイレクトに足に感じたい方にはオススメ。ディアマンテとはイタリア語で「ダイアモンド」という意味なのですがよく見ると柄が細かいダイヤモンドの形をしております。

つま先はもはや説明不要ですよね。お馴染みのヴィンテージスチール。スチール製なので耐久性も良くごく一般的な形です。メッキ加工なども施されていないので使用後の見た目の変化も少ない。

ちなみに本文内のソールについて書かせていただいたベイカーオークバークやレンデンバッハ製のヒールの材料もご用意しております。オールソールもご相談くださいませ。

まだ暑い日が続きますがもう少ししたら秋がやってきます。秋がやってくるということは革靴が大いに活躍するシーズンとなります。革靴好きな方は待ち遠しいですね。

クリーニング4,950円税込や靴磨き1,650円もおこなっておりますので修理とご一緒にいかがでしょうか。足元が綺麗だと非常に気持ちが良いものです。

ナイツブリッジでは配送でも承っております。修理代金税抜き22,000円以上で返送時の送料は無料とさせていただきます。事前のお見積りはCONTACT(お問合せ)からお気軽に。

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