ジョンロブと並び高級靴の代名詞ともいえるエドワードグリーン。外面だけではなく中身までも妥協なく仕上げられているシューズは実際少なく、修理屋目線で恐縮だがエドワードグリーンこそが名実ともにトップに君臨するといっても過言ではない。

時は1800年代、英国の靴の聖地ノーザンプトンで創業された古いシューメーカーは1800年代前半には稼働、エドワードグリーンはというと1890年とその類に比べるとちょっとだけ後発的か。ただしどちらにしても歴史のあるシューメーカーだ。

エドワードグリーンの代表的なモデルといえばチェルシー、カドガン、バークレーなどラストは勿論デザイン面でも傑作品ぞろい。本日ご紹介するドーバーも同様だろう。ドーバーの場合同じラストでもシングルソール、ダブルソール、スペードソールと底付けの仕方も違うパターンがあり一番特徴的なモデルなのかもしれない。

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EDWARDGREEN(エドワードグリーン)ドーバー 純正タイプのヒールを使用して修理

さて今回お持ち込み頂いたのは同じドーバーでスムースレザーとスエードの2足。

まずはスムースレザーの方から見てみましょう。

エドワードグリーンの純正ヒールはとにかく耐久性が良い。7ミリとそこまで特別厚みのある材料ではありませんがレザー部分はドイツオークバークでお馴染みのレンデンバッハ、ラバー部分は不明だが強度が抜群。大手シューメーカーが使用するヒールは通常、トップリフトの上に革が積まれ化粧釘まで打たれたものをカカト加工所から仕入れ自社の工場で取り付けて仕上げております。エドワードグリーンについても同様。とある加工所で製造を依頼しています。当店がご用意できるのはその加工所の物ではありませんがほかの加工所で同素材で作られたヒールで純正ではないかもしれませんが純正タイプといっても良いでしょう。素材、シルエットは全く同じです。

卸売値をここで紹介することはできませんが一つだけ言えることはあらゆるヒールの材料の中でこれが一番高い。在庫を抱えるのもちょっと躊躇するほどです。しかし物が良いので仕方のないところではありますが。

より純正ぽく仕上げるためには化粧釘のバランスはかなり重要だったりする。同じ本数打ったとしても場合によっては全く別物に見えてしまう。ワタクシが使用するのはディバイダー。エッジからの距離、釘と釘の距離を正確にかなり細かく点で履かれるので限りなく純正に近く表現することが出来る。感覚ではちょっと無理かなと。存分に道具に頼っております。

続いてスエード

こちらは実は一度修理されております。オリジナルと釘のバランスが少しだけ変わってしまっているのがおわかりでしょうか?そこまで拘るところでは無いのかもしれませんが、拘ってしまいます。

いかがでしょうか。それっぽく仕上がったと思います。こちらの修理は7,700円税込みの価格となります。正直カカトの修理でこの価格は個人的にもちょっと高い気がしますが材料自体が高価なものの為ご理解いただければ幸いです。もちろん他のレザーのヒールもご用意しております。一昔前のエドワードグリーンですと英国製のダブテイル(5,500円税込み)が付いていた時代もあるのでそちらも選んでいただいても勿論可能です。

エドワードグリーンの修理をご検討の方は是非ご相談くださいませ。

クリーニング4,950円税込や靴磨き1,650円もおこなっておりますので修理とご一緒にいかがでしょうか。足元が綺麗だと非常に気持ちが良いものです。

ナイツブリッジでは配送でも承っております。修理代金税抜き11,000円以上で返送時の送料は無料とさせていただきます。事前のお見積りはCONTACT(お問合せ)からお気軽に。

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