海外のインポートドレスシューズを選ばれる方も多いのですが日本のシューズも隅にはおけません。

三陽山長の特徴

その中でも三陽山長(以下山長)のクオリティは非常に高い。リーガルやスコッチグレイン等が低価格帯に対して山長は7~10万円とメイドインジャパンにしては高い。

日本人に合うように作られている。先ずは見た目。

日本には既に各国の高級紳士靴が出回っている為ビジュアル面では目の肥えた方がとても多く感じております。そんな中でも引けを取らない高級靴さながらのスキンステッチをあしらったモデルをはじめヒールも小ぶりで少々高く設定されておりよりエレガントな見た目となっている。

ラスト(木型)

履き心地と靴本来の形を大きく左右してくるラスト。日本人の足に合うように作成はしているもののよりシャープに、さながらイタリア靴のようなスクエアトゥのシューズも。

メイドインジャパンのシューズによくみられる現象

ここからは一靴修理人の私の経験上でのお話となりますが、履いて靴が屈曲するときに「キュッキュッ」と高い音がする所謂「音鳴り」は海外のシューズに比べて日本製のシューズが圧倒的に多い印象

音が鳴ってしまうのは様々な理由があるのですが一番の理由は人間で背骨に当たる箇所の「シャンク」。これが折れたり接着不良で動いたりすると屈曲時に音が鳴る事があります。音が鳴らないように工夫して内蔵しているシューメーカーも沢山ありますがホントこればかりは永遠の課題。修理で持ち込まれてオールソールしてもまたやがて鳴り出すこともあります。

音鳴りの原因はシャンクとの関係性が多い

シャンクをしっかりと固定して音鳴りを防ぐ

音鳴りを直すのにはオールソールを行う。その際シャンクがしっかりと固定されるように革を両面に張り「シャンク→中底」の接着を「シャンク→革→中底」といった感じにします。これで解消するケースがほとんど。※解消されないこともごく稀にございます

シャンクをしっかりと固定

シャンクを固定したら底付け

今回は元々レザーソールのところを雨の日でも革底から染みてこないようにダイナイトソールを。ダイナイトソールは英国はハルボロラバー社が作っております。イタリアのビブラムソールに比べると耐久性には欠けるものの5ミリという厚みでゴム底のわりにシャープに演出、サイドからの見た目をカジュアルになりすぎないようにしてくれます。「耐久性に欠けるものの」とは言いましたが履きこむと靴底は必ず減ってきます。ダイナイトソールの場合は良いタイミングで減ってくれるのでアッパーも含めて定期的なメンテナンス時を伝えてくれる一つのアラームにもなってくれる。理にかなったソールです。

ダイナイトソールのソール面のパターン。少々外側に付いているのでロングノーズやマッケイ製法の靴の場合は縫いのステッチがパターンにかかってしまうこともあります。裏からの見た目を気にしないのであれば付けることは出来ますが基本的にはある程度コバの張り出しのあるグッドイヤーウエルテッドシューズに取り付けるのが一番きれいに見えるでしょう。

三陽山長の靴修理

誤解のないようにお伝えいたします。「音鳴りはメイドインジャパンのシューズによくみられる現象」とは述べましたがあくまでも私一個人の意見です。だからと言ってメイドインジャパンのシューズのクオリティが低いというわけでも全くありません。作りで言うと正直世界でもトップレベルです。そして何よりインポートの高級靴でも音鳴りすることも勿論ありますので予めご承知おきください。

靴から「キュッキュッ」と音が鳴る!この症状でお困りのお客様是非一度ご相談くださいませ。

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