みなさんこんにちは。6月から始まった酷暑はどこへやら。9月に入り急に涼しくなり過ごしやすくなってきましたね。涼しくなるとやっぱり革靴を履く方も多くなります。となると我々靴修理屋の出番というわけです。

さてナイツブリッジのレディース専用インスタやこちらのHPのブログでも頻繁に登場しているメゾンマルジェラのタビ

過去のマルジェラタビは

こちらのページで紹介しております。

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以前の記事でもご紹介させていただいている通りではありますがマルジェラのタビに関しては裏張りは出来る限り早い段階で、出来れば新品時履きおろし前に付けるのをオススメしております!

理由は簡単、つま先が削れやすいからです。で、ソールのつま先が削れてくるとアッパー(上の部分)まで削れてきます。下の写真でもおわかりのように(新品のタビです)ソールよりもアッパーのつま先部分が出っ張っております。これが大きな理由。マルジェラタビのアッパーは非常に柔らかく履きやすい。しかしそれゆえに履きこんでいくとアッパーの革が伸びます。その状態でソール面のつま先が削れていると考えるとアッパーまで傷めてしまいます。

ということで裏張り装着スタート!

マルジェラタビは革底

ソール面を見てみましょう。綺麗な革底ですね。因みにこれは革の表面を染めてベージュ色になっております。

タビブーツの場合カレンダータグは後ろ目に刻印されているので裏張り装着時にも残すことが出来ますのでご安心ください。

表面をバフかけ

裏張りを張る際、ツルンとした表面には接着剤が定着せず張ることは出来ません。なので靴修理を初めて出される方は少々びっくりされるとは思いますが下の写真のように先に表面に軽くバフをかけをします。深く削り込むことはございませんのでご安心ください。

裏張りを張っていく

ここまで来たらいよいよ裏張りを張る作業に入るのですが、ここからは修理屋さん次第でやり方は大きく変わってきます。

わたくしも自身のお店を開業する以前より数えきれないほどのタビに裏張りを張ってきました。正直最初は苦労しました。なんせ形が特殊なので通常のやり方だと綺麗にいかないためです。

いろんなやり方を試しましたが裏張りを先にタビの形に加工してから張り付けるのが一番綺麗にいくと思っております。靴修理屋さんによっては「いやいや、こっちのやり方の方が綺麗だ!」と言われる方もいらっしゃると思います。あくまでもわたくし一個人の意見でございます。

裏張り側を加工

余った部分をカット

裏張りを張った直ぐはこんな感じです。一回り大きいサイズを付けそのあとに周りをカットしていきます。カットする際もこの時点でコバと言われる靴のサイドとできる限り面一になるようにカット。グラインダーでコバ面を整える時に時間をかけずに仕上げることが出来ます。

コバ面の仕上げの際時間をかけてしまうと

  • 熱を持ち剥がれやすくなる
  • コバがガタガタになる

等といったリスクが生じます。

グラインダーでコバを整える

靴修理において機械で靴を削っている時間って実は少ないんです。上記の通りの作業でほとんどの時間を費やします。コバを整える作業も慎重に行います。これを失敗すると正直アウトです。ソールの形が変わってしまいます。

その後インクで染めてワックスを乗せたら完成となります。

マルジェラ タビ 裏張り完成

仕上がりを見ていきましょう。ソールの真ん中付近、裏張りとの境目は隙間なく、そしてなんといってもタビの場合はつま先の割れているところが綺麗な直線、コバもツヤっとしていれば綺麗に見えます。

ちなみに裏張りの種類は

  • 1.8ミリ ビブラム社 ロゴあり 黒、茶、ベージュ
  • 1ミリ ビブラム社 ロゴあり 黒、茶、ベージュ
  • 1ミリ カサリ社 ロゴなし無地 黒、茶、ベージュ

ホントはもっとたくさんの種類がありますがナイツブリッジに常時あるのはこちらの種類です。

今回は1.8ミリ ビブラム社 ロゴあり 黒 を張らせていただきました。

お好みに合わせて張ることが出来ますが、靴によって合う合わないがあるので勿論修理屋としてのアドバイスをお伝えし決めていただくことも可能です(今のところほとんどのお客様が後者です)。

受付日当日のお渡しも可能です。勿論後日のお引き取りも可。お値段はHPの「MENU 婦人靴修理」にございます。

マルジェラのタビの修理は吉祥寺の靴修理店ナイツブリッジを是非ご利用ください。

ナイツブリッジでは配送でも承っております。事前のお見積りは「CONTACT」からお気軽に。

〒180-0005

東京都武蔵野市御殿山1‐7‐7

0422-26-6233