1829年創業と英国靴でも最古のシューメーカー。こちらも靴の聖地ノーサンプトンに工場を構えております。英国王室からロイヤルワラントを授かったことでも有名。ちなみにロイヤルワラントの授与できるのはエリザベス女王とエジンバラ公、そしてチャールズ皇太子。先日エリザベス女王がお亡くなりになられたのでチャールズ国王となっているのですがトリッカーズにロイヤルワラントを授けたのはチャールズ皇太子でした。チャールズ皇太子(国王)が度々トリッカーズの工場を訪問しているのも有名な話ですよね。

トリッカーズ ハーフソールとヒールの交換

今回お持ち込みいただいた靴はすでに他店でハーフソールとヒールの交換をされている状態。

トリッカーズもそうですがグッドイヤーウエルテッドシューズの場合最初の履き心地は固く、履けば履くほど馴染んでくるという一生モノの靴。ただその最初固いので反り返りが付いておらず歩行時につま先から接地することが多くどうしてもつま先は減りやすい。

ヒールの外側もとても減りやすい所となります。店頭に立っているとお客様から「歩き方が悪くてよく減ってしまうんです。。。」と言われることも多いのですがご安心ください。どんな方でも減ります。

側面の「コバ」もざらつきが目立ち修理しているのもあってか色も変わってしまっているのでこの辺りも考慮していざ修理スタート。

土台が削れている場合には革で補修を

ラバーを通り越し土台が削れている場合、そのままでは新たにラバーを付けることは出来ません。古いラバーを取り除いたら減っているところに対して革を足し元の厚みへと戻す作業を行います。

トリッカーズ修理

ラバーを取り付けたらコバを整える

ハーフソールとヒールのラバーを靴側に装着し出っ張りをなくすためにコバを整えていきます。コバを整える作業ではハーフソールなどのソール面の修理がない場合でも行うことが出来ます。靴磨きはご自宅で、そしてコバを整えるのは私たちのようなプロにお任せいただければより綺麗な状態でお履きいただけます。

コバを整えるたらインクが取れ革の地の色がお目見えです。この状態まで持ってこないとインクを塗ったときに綺麗にはなりません。

トリッカーズをご愛用されている方であれば既にお気づきだとは思いますがコバの色とても特殊ですよね?そうなんです。コバインクに関してはトリッカーズの工場で使用されているものは日本では出回っていないので基本的には使用することは出来ません(一部取り扱いのある修理店もありますが何故か色が違う。。。困ったものだ)。なので顔料を調色して色を作りコバに塗布していきます。

トリッカーズ修理

トリッカーズ ハーフソールとヒール交換 完成

前置きが長くなりましたが完成しました。

トリッカーズ修理
トリッカーズ修理 ハーフソール

今回使用したハーフソールはヴィブラム社の#7673という品番で厚みは1.8ミリ。これまで数多くのハーフソールを使ってきましたが厚みや靴へのフィット感等総合的に考えると、グッドイヤーウエルテッドシューズのしっかりした作りの靴ですとヴィブラム#7673が一番良いと考えております。シンプルなデザインで凹凸も浅く履き心地はよく、そして何より滑り止めの効果が抜群です。

トリッカーズ修理 ヒール カカト

カカトは同じくヴィブラム社の#5340。こちらは7ミリという厚みでよくある紳士靴のトップリフトと同じくらい。履き心地を壊さずに修理することが出来ます。ヒールに関しては元の厚みを考慮してご提案させていただいております。6ミリなら6ミリを、10ミリなら10ミリをといった感じです。

コバの色もオリジナルに近づくように赤茶を再現しております。

今回の修理内容は受付日当日のお渡しも可能です。お客様のご都合に合わせて作業させていただきます。

ナイツブリッジでは配送でも承っております。事前のお見積りはHPのお問い合わせフォームをお気軽にご利用くださいませ。

トリッカーズの靴修理は吉祥寺の靴修理店ナイツブリッジを是非ご利用くださいませ。

〒180-0005

東京都武蔵野市御殿山1‐7‐7

0422‐26-6233