好きな靴は?と聞かれるとトリッカーズとお答えします。理由はいろいろと有るのですが最初に靴修理を覚えたお店がトリッカーズを販売していたのと、とにかく頑丈な作りの為我々のようなデスクワークでない作業員には大変重宝する。ボンドが付こうがインクが垂れようが気にならない。現に仕事履きにしているのはトリッカーズだったりする。雑に履いているわけではないがアジと捉えている。
そんなわけで特に選んでいるわけではありませんが、英国靴はじめトリッカーズのお持ち込みも当店にはたぶん多い方かなと感じております。今回お持ち込み頂いたのは一度他店にて顔料染めをされて革の質感がなくなってしまっているトリッカーズの再生。どうなることやら、いってみよう。
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今回お持ち込み頂いたシューズを見てみましょう。
他店にて一度全体を顔料染めされたとのこと。染める液体の話となりますが顔料と染料というのがあり、通常靴に使われているのは染料。革本来の質感やエイジングが楽しめるが色落ちするというもの。顔料が使用されているのは例えばカバン。色落ちがしないので洋服に色移りすることもないためです。ただしエイジングは楽しめなかったりする。※勿論染料染めされたカバンもあります。
修理にて顔料を使用するのはキズ補修。深い傷をパテで埋めてパテごと隠すため染料では難しい。全体を染めるにはやっぱり染料。顔料は部分的でないとちょっと残念な結果になることがある。
染料で染め直しました。ビフォー画像と比べると透明感のある質感になったと思います。
今度はソール周りを見てみましょう。
ソールにはヴィブラム#2810ガムライトソールが付いているのですがカーキがかった色。お客様に聞くと伊勢丹別注品だったとか。ヴィブラムソールでカラーバリエーション豊富に展開しているのはたぶんヴィブラムチャイナ、中国製のものかもしれません。残念ながら同じものを手配することが出来なかったので今回は黒いソールを使用しました。
ウエルトの側面含め、コバ全体を思い切って黒にしてみました。日本で展開されているトリッカーズは主にレザーソールか、ラバーソールだとダイナイトソールで大体この2択。ただ本国にはガムライトソールを採用されているモデルは沢山あったりします。
ガムライトソールはゴムとスポンジの間位の素材。なので軽くて丈夫、屈曲しやすいというメリットがあります。お手持ちのトリッカーズを見てみましょう。レザーソールやラバーソールが付いていてもガムライトソールに張り替えることが出来ます。
トリッカーズの修理をご検討の方は是非ご相談くださいませ。
ヴィブラム#2810ガムライトソール 15,400円税込み(アウトソールのみの張り替え)納期3週間前後
クリーニング4,950円税込や靴磨き1,650円もおこなっておりますので修理とご一緒にいかがでしょうか。足元が綺麗だと非常に気持ちが良いものです。
ナイツブリッジでは配送でも承っております。修理代金税抜き11,000円以上で返送時の送料は無料とさせていただきます。事前のお見積りはCONTACT(お問合せ)からお気軽に。
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