私自身の仕事ではない靴修理をブログやSNSでご紹介するのはたぶん初めてかと思います。
世界最高峰の靴は?の問いに多くの人はロンドンロブと答えるでしょう。ジョンロブでもロンドンにあるビスポークシューズのお店ですね。
本日はそのロンドンロブのビスポークシューズのオールソールをご紹介します。
ジョンロブロンドンとは
名前にもなっていますが創業者はジョンロブ氏。
1850年代には既に靴作りをスタートしており1863年には英国王室御用達のいわゆる「ロイヤルワラント」の称号を得ております。1866年にはロンドンのリージェントストリートに初のブティックをオープン。その後時を経て1976年にはエルメス傘下となり1982年にはビスポークではない既成靴を発表。そこからジョンロブの名は一気に世界中に広がることになるのですが皆様ご存じの既成靴のジョンロブとロンドンにあるビスポーク専門店ジョンロブは全く違う会社です。
190もの工程を経て丁寧に作られる靴は多くの著名人の足元を彩る。ビスポークシューズ専門店をこだわり続けるのは大切な顧客にピッタリと合う靴を作り続けるがため。
ジョンロブロンドンのオールソール(ソール交換)を見ていくとしよう
ナイツブリッジの顧客様の私物でありますが、所有しているロンドンロブの靴を、渡英してオールソールに出され先日ピックアップしに行かれております。なんともスケールがでかい。。。
ジョンロブロンドンのわかりやすい特徴と言えばソールとヒールに大胆に押された「LOBB」の刻印。かつて多くのジョンロブロンドンの靴を見てきましたがかなりの割合で曲がって刻印されているようなイメージがあります。ちなみにこれは大体ど真ん中。
アウトステッチの糸は細かいピッチで縫われておりウエルトのウィールがしっかりと入り同化しているように見える。
ヒール部分のウィールも几帳面に入っておりこの辺りも職人の腕の見せ所ですね。使用している積革の素材は銀面層がはっきりとわかるようなもの。ビスポークシューズの醍醐味でもあります。
つま先は今はなきLULU製か?使用されているビスは海外のToeMetalでよく使用されているゴールドカラー。ちょっと隙間っぽくなっていますがそれはアジという事で。
中敷きも新しいものに交換されております。
今回のオールソールを拝見させていただいた感想ですが、ベベルドウエストの美しさなどもありますが一番は「靴を修復してまた長年安心して履けるようになる」。当たり前かもしれませんが随所でそれは感じました。綺麗に仕上げるだけが修理ではないなと。
そもそも靴の役割を考えてみると歩行時に足を守ってくれる単なる道具にすぎません。その単なる道具を「単なる道具」の一言で終わらせず、道具なんだけれどもそこには美しさがあったり履きやすさがあったり、作り手の歴史があったり、といろんなことが入り混じっている。それがジョンロブロンドン。
因みに今回のオールソール。リウェルトや中敷き交換、カウンターライニングの修理など修理箇所が多かったのですが締めて日本円でなんと約30万。日本の10倍くらいのイメージですね。この記事は2023年2月なのでレートがちょっと不利なところもありますが。。かなりいい靴が1足買えてしまいます。
ナイツブリッジでは配送でも承っております。修理代金税抜き10,000円以上で返送時の送料は無料とさせていただきます。事前のお見積りはCONTACT(お問合せ)からお気軽に。
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