近年廃業したシューメーカーの中では一番衝撃だったのがFoster&Son。長年松田さんという女性の職人さんがお勤めになられていたことから日本でも比較的馴染みのあるビスポークメーカーでした。
1840年にロンドンのジャーミンストリートに開業した老舗ビスポークメーカー。英国屈指の靴職人テリームーアさんが率いていた。
また2019年には日本企業が出資しノーザンプトンに自社工場を設立。既成靴のラインは元々ありましたがこれまでCrockett&Jones(クロケット&ジョーンズ)などにOEMしておりそこを自社生産に切り替えようとしました。その工場にはノーザンプトンで働く腕の良い職人を引き抜き始動しようとしましたがコロナウイルスの影響で再開の目処が立たず2021年に閉鎖することとなります。自身もコロナ直前にノーザンプトンを訪れているのですがその時もほぼ稼働していなかったと聞いているので正直コロナ前から上手くは言ってなかった印象。
そして惜しまれつつもロンドンのビスポーク店もその後閉店してしまいFoster&Sonは姿を消すこととなりました。
Foster&Son ライニングの修理
さてそんなFoster&Son。もう生産されていないので所有されている方は大切に履きたいところですね。
今回お持ち込み頂いたシューズを見てみましょう。
靴の中の写真ですが小指が当たる部分。大体の方は小指親指、そしてカカトが出っ張っているため靴内で擦れます。なのでライニングが破れてしまうことは通常のことではある。
小指の破れた部分には革のパッチ(1カ所770円)を張ることが出来ます。これをやることによりアッパーまでの貫通を防ぐとともに履き心地も改善されます。
次はカカトの当たる部分。一度ヌバック素材のレザーで補修されております。今回はオリジナルの質感に近いスムースレザーでカウンターライニング修理(片足2,420円)をし直しました。カカトの当たる部分の修理も何度も出来ますのでご安心ください。
カウンターライニング修理を行うことによりカカト周りに入っている「月型芯」が守られ型崩れや靴擦れを予防してくれます。もちろん履き心地も改善されます。
最後は中敷き。これは一度サイズ調整のため全敷きを作成されております。これを革で作成(3,850円)しフィッティングの向上を図ります。
使用したのはフランスの高級レザーであるアノネイ社のもの。ナチュラル仕上げで吸水性も高く靴内の汗をしっかりと取ってくれます。
ソール周りの修理は勿論ですがライニングは足に直接あたる部分でもあるので履き心地が大きく変わります。修理に慣れている方ですとライニングの修理も馴染みがあると思いますがここ数年で革靴が好きになったという方は是非一度靴の中を覗き込んでみてください。
写真のような不具合を起こしている場合はご相談くださいませ。
クリーニング4,950円税込や靴磨き1,650円もおこなっておりますので修理とご一緒にいかがでしょうか。足元が綺麗だと非常に気持ちが良いものです。
ナイツブリッジでは配送でも承っております。修理代金税抜き11,000円以上で返送時の送料は無料とさせていただきます。事前のお見積りはCONTACT(お問合せ)からお気軽に。
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