いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます!

増え続けるドクターマーチンの修理。。金具やバックル、アッパーのひび割れやソール剥がれ等ご相談内容は多岐にわたります。

ドクターマーチンは若い方にも人気があるのでもしかすると靴の修理が初めてだったりすると思います。なので今日はソール交換について徹底解説していきます。

※新たな修理方法が可能になりましたので情報を更新しております 2025年1月現在

Dr.Martens(ドクターマーチン)はウェルテッド製法

まず、ウェルテッド製法というところからご説明ですが1870年にアメリカで生まれております。アッパーにウエルトと呼ばれる革を縫い止め、その革に対してソールを接着してウエルトとソールを縫い止めるという製法。靴好きの方からしたら、あれ!?イギリス発祥じゃないの?と思われるかもしれませんがちょうど同じような時期にイギリスでは産業革命。その産業革命の時に軍隊の足元を守るために同製法が一気に普及しました。

ドクターマーチンは現在ベトナム、ラオスなどのアジアで大量生産されておりますがそもそもはイギリスは靴の聖地ノーザンプトン郊外のシューメーカー。なのでその製法が採用されております。

ただ一般的に言う「グッドイヤーウエルト製法」とちょっと違うのはウエルトとソールが熱圧着だけで付けられているのと、現行品は「シャンク」と呼ばれる人間で例えると背骨のような部分にあたる全体を支えるパーツが入っておりません。ただ昔製造されているものは入っております。これは何の差でしょうか。。

ウッドシャンクが折れている場合はもちろん交換いたします。場合によっては強度があるステンレス製のもので。

そしてウエルトが革でなくPVCという簡単に言うと見た目ゴムですが極めて接着が難しい素材を採用されております。

その為稀にウエルトが破損してしまうことがあります。

黒いところがウエルト、オリーブ色のところがソール。本来ソール交換の時はオリーブ色のソールだけで済ませたいところですが黒いウエルトが破損していると接着の強度が出ないためウエルトを巻きなおす必要が出てきます。

靴の内側から黄色いステッチでウエルトが縫われているのがわかると思います。これを巻きなおしていきます。

この作業「リウェルト」が靴修理の中でも最も時間のかかる作業と言っても良いくらい実は大掛かりなもの。なのでリウェルトがオプションに必要になった場合費用も高くなってしまいます。ご来店、お問い合わせいただく前に何となく作業工数、費用感をご理解いただければ幸いです。

ウエルトはPVCから革に、それと黄色いステッチは出来るだけ黄色で、黒いステッチであれば黒で縫い留めていきます。

オリジナルと少し変わるところはミッドソールというウエルトの下に板を一枚挟んで縫い留めます。そのほうがしっかりと接着が出来るためです。なので黄色いステッチは側面に、黒いステッチがもう一列平面側に走ります。

そしてソールを接着して周りを溝カッターで仕上げて修理完了となります。

いかがでしょうか?このような見た目となります。ウエルトは残念ながら革になってしまいますが履き心地を大きく左右するソールはナイツブリッジ独自にイギリスから仕入れている正真正銘のメイドインイングランドです。

今回ご紹介したソール交換のやり方は最も修理代金が高くなってしまう修理方法となります。もしウエルトが破損せずにソールだけの交換であれば「リウェルト」の代金は発生しません。

↓はリウェルト無しのソール交換

お困りの方は是非参考にしていただければと思います。

英国製エアソール両足17,600円、リウェルト両足16,500円←オプション 納期3週間前後

耐久性重視であればヴィブラムソールでも交換可能です。ヴィブラムソール14,300円税込み~

ナイツブリッジでは配送でも承っております。修理代金税抜き22,000円以上で返送時の送料は無料とさせていただきます。事前のお見積りはCONTACT(お問合せ)からお気軽に。

お店までの行き方は↓